松下 麻子さん(ディールメーカー)
高見馬場歯科 事務長
「役割」のパズルから個の特性が生きる組織へ。開業24年目の歯科医院が掴んだ再生の鍵
■ 知る前の葛藤:噛み合わないピースを無理やり組み合わせていた日々
歯科医院の開業から24年。地域医療に貢献する一方で、当院は長年、組織運営の壁にぶつかっていました。現場を指揮する院長の目には、スタッフがどこか「決められた役割をこなすためのパーツ」のように映り、その心の機微を汲み取れずにいました。「なぜ、何度伝えても動いてくれないのか」「なぜ、不満そうな顔をしているのか」。理解の物差しを持たなかった当時は、医療現場がギスギスとすることもありました。
さらに、効率と仕組みを重視するメカニックの院長と、感情を大切にしたいディールメーカーの妻(事務長)。15年以上、意見は常に平行線で、仕事の話はやがて互いの齟齬となり、経営陣の不和がさらに組織を不安定にさせていました。
■ 知った後の変化:才能を活かし合う「相互理解経営」の土台の完成
ウェルスダイナミクスを導入したことで、当院の景色は劇的に変わりました。
- 「役割」の奥にある「才能」を活かす視点
スタッフを単なる職種という役割で見るのではなく、「その人自身の特性」という彩りを持った存在として深く理解できるようになりました。例えば、不満げに見えていた言動が、実は特性ゆえの「変化への不安」だと理解できたことで、接し方や配置が最適化されました。相手を慮る物差しができたことで、現場は一気に温かさを取り戻しました。 - 経営陣の「共通言語」が組織の安心感へ
最大の転換点は、院長と事務長の間に共通言語ができたことです。「感情無視の経営者」と責めていた院長の「仕組みを作る才能」を尊重できるようになり、院長もまた「人と人を繋ぐ事務長の役割」を認めるようになりました。15年続いた仕事上のすれ違いが解消され、経営陣が同じ言葉でスタッフと語れるようになったことで、院内全体に大きな安心感が広がりました。 - 客観的な成長指標による納得感
現在は「スペクトル」の視点を活用し、個々のレベルに合わせた課題設定を行っています。感覚的な評価ではなく、客観的な指標に基づいた成長のサポートが可能になりました。これにより、院長による査定も本人の成長に基づいた納得感のあるものに変わり、スタッフのモチベーション向上という好循環が生まれ始めています。
■ 医療現場の未来へ:一人ひとりが輝き、定着する医院を目指して
歯科医院の価値は、そこで働く「人」で決まります。 24年という歳月をかけて辿り着いたのは、「自分の才能がこの場所で活かされている」と全員が実感できる環境づくりでした。この「相互理解の経営」こそが、スタッフの定着と笑顔あふれる医院づくりの確かな土台になると確信しています。
